学問系統
学問系統
JPUEでは志望校を選んで出願するのではなく、日本の大学への留学後、その大学で学びたい学問を選択して出願する、「学系選択出願方式」を採用しています。 出願の際に志望する「学習系統」を3つ選択し、さらにその選択した3つの「学習系統」に付随する、 それぞれの「学習領域」を3つまで選択して出願してください。
下記は、「1)文学·歴史·文化」から「18)看護学、保健・福祉学」の合計16の学習領域の表題を表示しています。 それぞれ興味のある「学習系統」アイコンをクリックすると、各系統内の「学習領域」の表題が表示され、さらに表示された当該領域名をクリックすると、 各領域の学習内容や就職のイメージが表示されます。
尚、一部「学習系統」選択に受験が必須となる科目があります。「学習系統」右側に記載している受験科目との整合に注意して出願を進めてください。
文学/ 文学を通して人間の本質を探る
日本の文学部は大きく二つに分かれる。日本の文学作品について研究する日本文学系(国文学系)、外国の文学作品を扱う外国文学系だ。両者を比較する比較文学系もある。もちろん外国文学系の中には中国文学を研究する講座も存在する。なお、日本文学系は語学を学習するためのいわゆる「日本語学校」的な存在ではなく、日本語で書かれた「文学作品を研究する場」であることに注意しておきたい。
大学では1・2年次に文学に関する基礎知識を修得する。外国文学系では、作品をその国の言葉で理解するための語学教育も徹底的に行われる。そして3年次以降はゼミなどに所属して、作品を深く学ぶというのが一般的だ。
歴史学/その時代の社会を立体的に再現する
歴史学では、過去の出来事や物事の変化を対象とし、史料に基づいて過去の人間社会のありさまを記述し、先人の叡智を学び、それを現在と未来に活かしてゆくことをめざす。一般的に「日本史」「東洋史」「西洋史」の3分野に分かれ、それぞれ政治史・文化史・宗教史などの区分がある。しかし、最近は、国家という単位だけでなく地域や国家間の関係性に注目したり、政治や文化を包括的に促えようとする試みがなされている。また、史料の分析が不可欠のため、対象地域の語学力も要求される。
一方、地理的特徴が人間の営みに与える影響、そこから生まれる地域的特徴などを分析することで、自然と上手に付き合っていく方法を研究するのが地理学だ。基礎として「地誌」「地図学」「地理学史」「系統地理学」を学ぶ。系統地理学はさらに「人文地理」「自然地理」の2分野に分けられ、人文地理では人口、集落、政治・経済、文化など各地域の特色を、自然地理では地形や気候が人間の生活や産業に与える影響を研究する。科目には測量学や製図実習など理系の要素が強いものも多く、フィールドワークという実地調査もある。
文化学/「文化」を正面からとらえる
言語学/語学力を基礎に「真の国際人」をめざす
一方、通訳・翻訳を職業とする人や、母国で、または日本に留まって、日本語教師として活躍する人も多く見受けられる。
法学/法律家だけのモノじゃない
法学は大きく、法学とは何かを学ぶ基礎法学と、法解釈や適用法について学ぶ実定法学の2分野に分かれる。基礎法学には法哲学・法社会学・法史学などがあり、実定法学では基本六法(憲法・刑法・民法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)を中心に国際法や経済法についても学ぶ。2・3年次以降はコース別に専門的な研究が始まる。六法を中心とした司法系、企業活動と法の関係を研究する経済法学系、国際社会と法がテーマの国際系などがある。
政治学/現代杜会の抱える問題を発見・解決する
政策学は、現代社会のあらゆる問題・課題を多様な視点から考え、解決するための政策を立案・分析する学問で、主に日本の政府や自治体の政策について学ぶ「公共政策」、地域活性化・都市空間づくりに関する政策を学ぶ「地域政策」、温暖化や資源・エネルギー問題に関する政策を学ぶ「環境政策」、それらに加え国際・経済・情報など学問の枠を超えた様々な問題の解決をめざす「総合政策学」などの分野がある。
社会学/多彩な研究対象・アプローチ
また、製造業や小売業を選択して、商品開発や販売戦略を手がける人もいる。近年は、大学院に進学して、研究者を志す人も増えてきている。
福祉学/理論と実践の両面から迫る
大学では、理論研究のための科目として、社会福祉の成り立ちに関する社会福祉原論、制度や機構について学ぶ社会福祉法論、生活保護の意義や仕組み・運用について検討する公的扶助論などが開講されている。
もう一方の柱である技術面については、援助サービスの方法や技術を修得するソーシャルワークやカウンセリング実習、介護実習などの履修科目がある。
観光学/文化と地域を繋げる、新しい旅の形を創造する学問
国際関係学/あらゆる角度から国際社会を分析
また、通訳案内士や旅行業務取扱管理者などの資格を取得して、ツアーコンダクターや通訳観光ガイド、ホテルスタッフとして活躍している人もいる。
最近では、NGOや民間のシンクタンクなどで、国際協力や政策提言に貢献したいという人も増えている。
心理学/系統的に理論を学び、自分の考えをまとめ上げる
哲学は、人間の存在や思考に関する諸問題を研究する。西洋哲学、東洋哲学(インド哲学、中国哲学)など、対象とする地域ごとに区分される。大学では、1・2年次は哲学概論や哲学史など基礎的な知識を身につけ、3年次以降はゼミ形式の授業を中心に原書を講読しながら、より専門性の高いテーマに取り組むというのが一般的だ。また、哲学科の授業には原書が多く取り上げられるので、読みこなす力が必要となる。英語やドイツ語のほか、ギリシャ語、ラテン語、サンスクリット語などの古典語の学習が必要になる場合もある。
哲学と深いつながりがあるのが宗教だ。宗教に関する学問は大きく、宗教や宗教的行為についてあらゆる側面から研究する宗教学と、仏教、キリスト教、イスラム教など個別の宗教の研究とに分けられる。
教員養成/教育の本質を学ぶ教育学と教師をめざす教員養成系
教員養成系は日本での教員免許の取得が卒業の要件となっている「教員養成際程」と免許の取得を義務づけず、幅広い知識をもった人材を育てることを目的とした「総合科学課程」に分けられる。教員養成課程は、文字どおり日本の学校教員の養成を目的とした課程である。ここで注意したいのはあくまでも、この学部で取得できるのは日本での教員免許であり中国国内での教員活動は原則としてできないということである。カリキュラムも免許取得に必要な科目中心に編成されている。1・2年次にかけては教養教育科目や基礎教育科目を学び、3年次以降は各教科の指導法や子どもの発達過程など必要な技術や知識を修得する期間にあてられている。また、一番のヤマ場ともいえる教育実習もこの時期に並行して実施される。総合科学課程では、情報・国際・人間科学・環境・地域・芸術・スポーツなどの専攻コースが設置されており、学際的な研究が展開されている。また、生涯教育を扱う大学も多く、学校だけでなく幅広い場面での指導者の養成が行われている。
教育学/子どもを科学する
絵画(洋画・日本画・版画 等)/色彩と形で感性を表現するアートの世界へ
彫刻/形に命を吹き込む、立体的な表現の探求
美術史/時代を超えてアートを読み解く知識の旅
美術教育/未来のクリエイターを育てる、表現力の指導者
グラフィックデザイン/視覚で伝える、クリエイティブなメッセージ
プロダクトデザイン/形と機能で新たな価値を創造する
ファッションデザイン/個性と時代を纏う、クリエイティブな表現
建築・環境デザイン/空間と自然の調和を創造するデザイン
理系の建築学科と美術系大学のアプローチの違い
理系の建築学科と美術系大学では、建築や環境デザインに対するアプローチが異なる。理系の建築学科では、物理学や構造力学、材料工学、建築基準法など、建築物の安全性や機能性に重点を置き、技術的な側面を重視して学ぶ。これにより、建物の耐震性や断熱性、構造計算など、実際に建築物を設計・施工するための理論や技術が強化される。
一方、美術系大学では、デザインや美学、空間表現に関するアプローチが中心で、建築物や環境の造形美、空間の創造力、都市景観との調和を重視する。素材や光、色彩、形状といった感覚的な要素の扱い方や、住まい手の感性に訴えるデザインの工夫が求められる。美術系大学では、芸術的な感性と創造的なアプローチに重点を置きながら、デザインを社会や環境との関わりの中で考えることが特徴である。
このように、理系は技術と機能性、美術系は創造性と美学という異なる側面から建築を捉え、それぞれの学びが独自の視点を持っている。
イラストレーション/感性で描く、物語を伝えるビジュアル表現
映像/動きと時間で描く、新たな物語の創造
写真/瞬間を切り取り、永遠の物語を描くアート
メディア・CGデザイン/デジタルの世界で創造を形にする
アニメ・マンガ/物語とキャラクターで世界を創り出すクリエイティブな力
演劇/舞台の上で命を吹き込む、生きた表現の芸術
音楽/音で心を動かす、普遍の表現芸術
経済/理論を理解し経済的現象を分析
また、経済学には実証分析が欠かせない。そのためには各種のデータを統計化し分析することが不可欠で、その手法も身につけなければならない。コンピュータを用いてシミュレーションを行い、問題にアプローチするための演習をカリキュラムに組み込んでいる大学も多い。
経営·商学/経済活動の現場が研究対象
経営・商学系では、経済系と比べるとカリキュラムに実学志向を反映する科目が数多くみうけられるのが特徴である。ビジネスの国際化にともない、必修科目として「経営英語」を設けるなど、実践で役立つ語学力の養成に努めている大学も数多い。
住居学/豊かな住空間・住環境の実現をめざして
大学では住居学の基礎を学ぶとともに設計や製図の実習に重点が置かれ、コースや専攻に分かれて設計製図や材料実験、実測調査など専門性の高い実習演習に取組む。インテリアのデザイナーやコーディネーターを目指すならこの学問を学んでおこう。
また、大学院進学では家政学系はもとより、建設系に進む人が多く、社会工学系・都市工学系の大学院に進学する人もいる。
生活科学/広い学問領域が魅力
社会が目まぐるしく変化し、人々がその生き方について模索しているなか、人間の生活自体やその望ましい在り方を研究対象とする生活科学を学ぶ意義は大きい。
被服/ファッションを総合的に科学する
大学での研究内容は、服飾デザインを中心とした色彩学やテキスタイルデザインのほか、服飾の歴史や文化、マーケティングや消費行動を学ぶ人文・社会科学的分野と、素材の性質や化学的構造を学ぶ理系的分野がある。
実習実験も多く、実際に服をデザイン作成する実習のほか、汚れの洗浄・漂白・染色に関する実験や繊維の識別・製造実験、染織加工実験など化学的要素の強い実験も組み込まれている。また、アパレル(衣服・既製服)のデザインや生産工程を効率化するためのコンピュータ基礎知識を学ぶアパレルCAD演習なども開講されている。
食物栄養/食のスペシャリストをめざす
4年闘を通して実習や実験が多いのもこの学系の特徴。調理学実習、栄養学実習をはじめ、食品衛生学実験など長時間にわたる実験も多い。学問的には化学に基礎を置くものも多いため理科を重視している大学が多いのが特徴だ。
人間科学/「人間」について総合的に研究する
少数ではあるが大学院へ進学し、研究職をめざす人もいる。
スポーツ学・健康科学/スポーツと健康に科学的に取り組む
研究領域は4つに分けられる。生涯にわたる健康、体力の保持・増進に必要な科学的知織を持った指導者・研究者の育成を目的とするのが「学校体育系の分野」である。競技としてのスポーツを科学的に分析、運動方法や効果的なコーチングなどを研究するのは「トレーニング科学系の分野」だ。ライフスタイルの一要素としてのスポーツを社会学的観点から見るのは「社会体育系の分野」。地域社会での指導者の育成もめざす。また、衛生管理やスポーツによって引き起こされる疾患・障害についての研究、予防法、リハビリテーションなど医学的視野も含んだ観点から探求が行われているのが「健康科学・スポーツ医科学系の分野」だ。
スポーツ用品メーカーなどの一般企業への就職は増加し、職種は広がっている。
学部での研究をさらに深めようと大学院に進学する人も少なくない。
環境学/環境問題のスペシャリストをめざす
したがって、環境学が扱う分野は自ずと多岐に渡る。これらの問題に対処できる専門家を育成するために、近年各大学で環境系の学部・学科が増設されている。環境問題については、従来は主に理系の学部や学科で研究されてきたが、近年は人文・社会科学などの文系分野でも研究が進んでいる。たとえば、人と生活環境の相互作用を考察することで、人間社会と自然との調和や共生を研究する学科や、企業や地方公共団体・国といった社会の仕組みを捉えながら、法制度の在り方や環境法などを考察する学科がある。
つまり、これら環境問題への関心や意識の高まりに伴い、また幅広い分野にまたがる環境問題を研究するために、文系・理系の枠を超えた文理融合的な取り組みや、従来の学問分野を超えた学際的な取り組みが進んでいる。
情報学/情報を様々な角度から探る
理学部では数学や物理学の知識と基礎理論を基に学び、工学部ではコンピュータに関する研究を基にして学んでいくが、一方の文系学部では、様々な領域の課題を「情報」という観点から捉えていく。そのため文系学部であったとしても、コンピュータをはじめとした情報技術の理論や知識を学び、情報収集や解析など実践的な活用が不可欠なので、文系・理系の枠組みを超えて総合的に学ぶことが求められている。こういった既成の枠組みを超えていく流れは、同様に理系学部にも及んでいる。
近年、情報分野のキーワードとして、「ユビキタス・コンピューティング」という言葉が用いられるが、「ユビキタス」とは、ラテン語で「至るところにある、遍在する」という意味である。すなわち、いつでもどこでもコンピュータを利用できる環境にあることをいう。これから「ユビキタス社会」を迎えるにあたって、情報学の重要性はますます高まっていくだろう。
数学/長い歴史をもち活発に成長する学問
大学での数学は、代数学、幾何学、解析学の3つの専門分野に分けられる。これらを理論として追求する「純粋数学」と数値解析、統計、計算機論など社会科学、工学分野やコンビュータと関連しながら発展している「応用数学」「情報数理学」に分かれている。カリキュラムを見ると、1・2年次には、代数学、幾何学、解析学の分野で必要となる基礎科目を学ぶ。講義にはたいてい演習が組み合わされ、問題を解きながら思考力を鍛えていく。また数学的な問題をコンビュータを用いて解く方法を理解するため、コンピュータ実習や計算機演習などの授業も必修だ。3年次になると、より専門的な幾何学、解析学など純粋数学の世界を見渡す科目や、数理統計学をはじめとする応用数学系科目も展開され他分野への応用力を身につける。
最近では、大学院への進学率が高くなっている。修士課程修了後は一般企業などへの就職が大半だが、大学の研究者をめざす人もいる。
物理学/自然科学の法則を探る物理学
なお、他の理学系と同様に大学院への進学者が半数近くいる。進学の目的は、修士課程を終了した後に企業の研究部門に就職することを見据えている場合が多い。また、さらに研究者をめざし、大学や国の研究機関に就職する道もある。
地球科学/地球を広大なスケールで研究
また、他の理工学部系と同様に、大学院へ進学する学生が多い。学生の半数前後が修士課程へ進学する大学も多く、そこから研究者をめざす学生もいる。
化学/物質の性質を実験で体得
3・4年次になると、専門選択科目が増え、さらに高度な実験に取り組む。カリキュラムのなかで、実験が占める割合が高いのがこの学系の特徴のひとつ。高校時代の化学実験は、方法、手順を把握するために、すでに明らかになっている結果に至る道筋をなぞるものがほとんどだったが、大学では自分で立てた仮説を証明するために実験を行うので、思い通りの成果が簡単に出るわけではない。逆に、実験の過程や結果から全く別の問題を発見する場合もある。根気はいるが「スリルに富んだ」学問でもある。
技術者や研究者など、専門家として就職を希望する場合、大学院で専門性を深めることになる。卒業後、大学や国立機関の研究職、あるいは民間企業の研究所などで研究者として活躍する道がある。
生物学/研究対象は微生物からヒトまで
主な就職先としては、学んだ専門知識や実験技術を活かせる製薬・食品・化学工業関係の研究職が挙げられるが、近年はMR(医薬情報担当者)としての需要も増えている。卸・小売業、マスコミ、サービス、コンピュータ関連会社なども比較的多い傾向にある。また、官庁や研究所などに進む人もいる。
機械工学/工学の基盤を支える機械工学
機械工学の研究分野は大きく「材料系」「熱・流体系」「機械振動・制御系」「加工系」の4つに分けられる。「材料系」は材料の特性や強度、機械に適した材料の選択法や新素材の開発が研究テーマである。「熱・流体系」は自動車やロケットなどのエンジンや発電プラントなどに関連する分野。熱の発生、移動、遮断法などを研究する。「機械・振動・制御系」では機械の振動・制御技術、「加工系」では精密加工や切断加工、溶接技術を扱う。これら伝統的領域に加え、ロボットや医療関連の研究も盛んになっている。
大学では1・2年次に数学、物理学、力学、製図学など基礎科目の修得に力を入れる。とくに、機械工学のベースである材料力学、流体力学、熱力学、機械力学の4力学をみっちり学ぶ。3年次以降は、この4力学を実験・演習でさらに深め、設計演習よりも高度で専門的になる。
企業の研究開発職として就職する人の多くは大学院修了者である。したがって、大学院へ進学する人も少なくない。将来、研究職を希望する場合には、大学院への進学も検討してみよう。
電気・電子工学/電子の利用法を研究
一方、電子工学は「エレクトロニクス」ともいい、電子を「情報伝達の道具」としてとらえる。LSl(大規模集積回路)などの電子デバイスの新材料の開発やバーチャルリアリティなど、コンピュータのソフト・ハード面の開発、半導体レーザーや光ファイバーを用いたネットワーク技術など電子の性質の応用に関するさまざまな研究を行なっており、現代先進技術の基盤を支えている。
多くの人が、技術開発が目覚ましい上記のような業種に就くほか、より高度な知識や技術を修得するために大学院に進学する人も多い。さらに博士課程に進学し、大学研究機関に就職する道もある。
生物工学/生物の機能を工学で利用
生物工学は遺伝子工学や細胞工学といった基礎技術をもとに研究がすすめられる。「遺伝子工学」では遺伝子組換え技術を用いた遺伝子の構造解析や遺伝子操作を行なう。「細胞工学」では細胞同士を融合させ雑種細胞を作ったり、細胞内で有用物質の大量生産を行う。これらの技術と他の工学的技術を組み合せて実用的なバイオ技術を開発していく。生物工学の活用範囲は医薬、食品、化学、発酵の諸工業分野から環境保全にも及ぶ。
テクニカルエンジニアやシステムエンジニア、シンクタンクなどの分野へ進む人もいる。
土木・環境工学/快適に、安全に暮らせる街づくり
土木工学の扱う対象は環境と密接な関わりを持つ。そこで登場したのが「環境工学」という分野で、自然科学、社会学、情報工学などの分野もあわせ、環境に配慮した都市や地域の基盤整備を進める学問領域である。地球規模の環境から、住宅周りなど生活環境まで扱う幅は広い。
カリキュラムは、水理学、土質力学、構造力学などの専門基礎科目から都市計画学や地球環境工学まで多彩な科目で構成されている。
一方、環境工学系卒業者の就職先は、建設会社、設計事務所、各種メーカーなどがあり、幅広い分野で活躍中である。また、環境分野に限らず、総合的な素養や能力を活かして、様々な分野で活躍している。
航空・宇宙工学/工学の花形航空・宇宙工学
航空・宇宙工学は大きく分けて空気抵抗や浮力について研究する「流体力学」、機体の構造や般計に関する「構造力学」、航空機やロケットの飛行に必要な推進力を研究する「推進工学」、操縦性能や飛行の安定性を追求する「航空・制御工学」の4つから成り立っている。これらの基礎的な分野を軸にしながら、学習すべき内容は非常に広範囲にわたる。また、進歩が著しい分野だけに、最先端の技術にも触れることができる。
入学後は基本となる数学や物理をみっちりと勉強し、専門課程になると宇宙や航空に直接関連した科目を履修する。華やかにみえるこの分野だが、実は地道な研究の連続。コツコツと努力を積み重ねることができる人が向いているだろう。
上記のほかに、精密機器メーカー、鉄道関連企業、ソフトウェア開発企業など、研究を通じて得た知識が活用できる職種は幅広い。パイロットや航空整備士などの資格取得をめざす人も多いようだ。
通信・情報工学/ITの進展を担う
また、大学院に進学する学生も増加しており、大学によっては進学率が7~8割に達しているケースもある。大学院修了後はIT関連企業などで研究・開発に携わる。
建築学/科学と芸術の融合
建築学は大きく4つの分野に分かれる。「建築史・意匠」分野は建築の歴史とデザインだけでなく自然科学・哲学・美学・社会学などさまざまな分野と密接な関係をもつ。「建築構造・材料」分野は、建物が倒れないための仕組みやその原理の追及を行う。「建築環境・設備」分野は、照明や空調・給排水のみにとどまらず、都市全体・地球全体のエネルギー分野についても学ぶ。「都市計画・建築計画」分野は、都市や建物の計画に主眼を置いたもの。最近では環境面を重視した研究も盛んで、例えばバリアフリー住宅やエコハウスなど、地球や人に優しい住空間づくりを目指す研究はますます進みそうだ。
カリキュラムは、それぞれの分野を系統立てて学んでいくが、実験や実習に重点を置く大学が多い。設計に関わる部分では、CAD(コンピュータ援用設計)などコンピュータ技術を学ぶ実習演習も用意されている。4年次には研究室に所属して卒業設計を行う。
このほか、都市を計画するアーバンデザイナー、環境デザイナーなどの職業に就いたり、大企業の建築部門に所属する人もいる。
また、建築関係への就職以外には、コンサルティング会社や広告関係、さらには、金融関係や不動産関連企業などへ進む道もある。
デザイン工学/つかいやすく環境に優しい製品をめざして
工業製品と人間と環境の関わりを追求していくため、生活や社会・経済の枠組みとも深く関わる。大学ではデザイン造形、人間工学、生理人間学、デザイン心理学といった他の工学系学科とは異なる講義も開設されている。
理学・工学双方の内容を横断した知識を持つという特性があり、応用も利くので、卒業後の進路は幅広い。電気・電子機器、通信・コンピュータ関連、金属、鉄鋼、自動車など、様々な分野で研究者・技術者として活躍している。
また、データ分析能力を活かし、金融や保険業界など一見すると畑違いな分野で活躍している人もいる。
材料工学/技術革新を呼ぶ新素材をつくる
大学院修了者は主に、各種研究機関、企業の開発・研究部門などで研究者およびエンジニアとしての活躍が期待されている。
応用化学/産業界を革新する化学技術
応用化学の一つのテーマとして挙げられるのが新素材の開発。高分子材料、生体材料、セラミックスなどがあり、携帯電話に使われている高効率なリチウム電池の電極もこの分野で開発された材料が使われている。また、化学物質のなかには有害物質が存在することもある。そのため、最近では環境保全技術も重要な研究対象となっている。例えば、ダイオキシンなどの有害物質の分解作用を持つセラミックス系光触媒物質、分解して土に変わるプラスチックなどが開発されている。
大学では、1・2年次において物理化学、有機・無機化学、分析化学などの基礎科目を学ぶ。また、1年次から実験の比重が高いこともこの学系の特徴のひとつだ。3年次以降は、高分子化学、触媒化学、反応速度論などの講義や実験、演習を履修し、卒業研究に取り組む。
そのほかに、国立の研究機関や大学などの教育機関に研究の場所を求めている人もいる。
船舶・海洋工学/広い知識を持つ海洋のエンジニアを育成
学問領域は大きく船舶系、海上海洋系、環境系の3つに分けられる。
船舶系では、船舶の設計・建造など造船技術を中心に学ぶが、海洋開発のための各種構造物や大型橋脚、大型の陸上構造物なども含まれる。船舶は様々な機械や電子制御装置などを備え、省エネルギーと環境保全の視点から動力や設備・機器システムを運用する、それ自体が大きなプラントともいえるため、機械・電気・制御・流体など幅広い工学分野を総合的・系統的に学んでいく。
海上海洋系は、海上空港、海洋リゾート、資源開発など主に海洋開発に関する分野と、海上輸送システム、国際物流・ロジスティクスに関する分野を含む。海を守りながらエネルギーを持続的・発展的に利用するシステムや、安全で効率的な輸送システムを研究する。
環境系は、風・波動・潮流など海洋をめぐる自然現象を解明し、環境保全と人間との共生という課題を軸に、海洋環境・資源管理・水域利用などについて、その方法や技術を広い視点で学んでいく。海難事故による原油流出の影響の研究や、魚類・海藻などの水産資源に関する研究を行っているところもある。
一部の大学では船員養成課程を設けているところもあり、卒業後に海技士免許を取得し、船舶職員として活躍する人材も輩出している。
資源・エネルギー工学/環境問題を探求する
資源工学は、工学のなかでも長い歴史を持つ学問分野で、前身は採鉱・冶金(やきん)学や鉱山学などである。資源の探査・開発・処理や環境保全という従来の資源工学で取り扱う分野に加え、資源の開発と利用に伴う環境問題、自然災害に関する予測・予防や資源リサイクリングなどに関しても、地球的規模での将来を視野に入れた総合的研究・技術開発を行っている。
一方、エネルギー工学では、エネルギーの生産と利用に関する基礎研究とその応用に取り組んでいる。例えば、エネルギーを有効かつ安全に利用するための最適プロセスとその機器の開発、基礎原理の解明など、高品位エネルギー変換システムについての新しい技術の開発をめざし、様々な実験的研究や解析を行っている。
このように、資源・エネルギー工学系では、広い学域にわたる専門知識を融合させてエネルギー・環境問題を克服することを目標とし、資源の開発やリサイクル、省エネルギーなど持続可能な社会システムの構築を研究している。
環境科学/「環境」をさまざまな角度から研究
環境をテーマとした研究はこれまで生物学や農学など自然科学の分野で行われてきたが、最近では人文・社会科学系でも環境問題に取り組む学部学科が増加しつつある。たとえば人間社会と自然との調和・共生のための幅広い知識を学ぶ学科や、社会を構成する様々な要素を広い視野でとらえ、法制度のあり方や環境法を考える学科などがある。また、理工系でも環境に関わるさまざまな環境を解析する「環境数理学」、マルチメディアを駆使して環境問題にアプローチする「情報環境学」などの新たな学問領域が注目を集めている。
そのほかに、国連などの国際機関、特殊法人、財団法人のような公益法人、環境NGOなど国内外の民間組織が挙げられる。
能楽・農芸化学/バイオ技術の進展で多様化する研究領域
農芸化学は農業生産に関わる多様な問題を化学によって解決することをめざす学問分野。生物が持つ遺伝、自己抑制、物質代謝などの機能を解明し、それを他に応用する技術を開発する。研究対象は農産物、昆虫、キノコ、微生物と多種多様だ。遺伝子組換技術による新しい安全な農作物なども研究テーマになっている。
大学では、農学原論や生物学、有機化学、土壌学などの基礎科目を勉強した後、専門性の高い研究に取り組んでいく。実験や実習のウエイトも高い。とくに農学では農場でのフィールドワークも重視されている。
人口増加による食糧危機への懸念や地球環境の悪化がもたらす農産物への影響など、多くの問題が農業を取り巻いている現代において農学研究がもたらす成果への期待は大きい。
農業経済学/世界の人々が安定的に食料を享受していくために
マクロな視点では、日本の農業と世界との関わりを研究し、食糧自給率の低い日本の経済構造、農業物貿易、日本の農業の問題点など国際的な問題も研究テーマとなる。ミクロな視点では農業生産者の所得向上や経済的な安定の実現をめざして、機械設備への設資、労働力投入の問題など、限られた資源で最大の利潤をあげる方法を考える。いずれにしてもベースは日本の農業研究になる事が多いので、中国での農業経営等に活かすためには、日本と中国の比較をしながら、農業のあり方を理解していくことになる。
大学では、低学年次に経済学、政治学、社会学などの基礎を修得、さらに農村政策論、農業史などを学びつつ、農業経営分析やアグリビジネス論といった専門科目を学んでいく。また、農業に関する知識や技術を身につげるために必要な実習や実験もカリキュラムに組み込まれている。農学系のなかでは社会科学的要素が強い学系ではあるが、やはり農業実習・実験は欠かせないものとなっている。
また、近年では、環境関連の企業へ進むケースも見られる。さらに、大学院に進学したり、NGOや国際的な機関において、大学時代に進めた研究をさらに深めることもできる。
農業工学・森林科学/自然環境と農・林業との融合を探る
農業工学は主に農業機械と農業土木の2分野に分かれ、さらに近年では環境関連分野の視点からも研究が進められている。
農業機械系では農業生産に利用される機械や施設を研究する。田植え機などの省力化機械や効率的な栽培施設の開発、さらには農業ロボットなどメカトロニクスを駆使した研究も盛んだ。
農業土木系は農地や水資源環境の整備などが研究テーマ。農地整備・保全や灌漑設備の充実をはじめ、自然との共生をめざす社会づくりという視点からの環境へ配慮した取り組みも進められている。また、環境関連分野では、資源の有効利用と生態系の保全の面から農業のあり方を考察する。
自然を舞台とした農業の分野にはほかに森林科学がある。森林科学では森林資源と人間との関わりに注目し、森林資源の保全育成、利用、生産管理などについて学ぶ。森林内外の生態系や環境などの自然科学的側面だけでなく、林業の問題点に経済・経営学、社会学といった社会科学面からもアプローチを行う。また、最近ではこうした従来からの領域に加え、環境保全の立場からも森林が研究対象となっており地球温暖化、砂漠化、酸性雨の森林破壊など、地球規模の環境問題をテーマにした研究も盛んだ。
水産学/海洋生物資源を多角的に研究
「漁業・水産資環学」では、水圏生物の資源量の推定や管理法、行動特性・生理学的特性の研究、そしてそれらを捕獲する手段・漁法を学ぶ。「水産環境学」では海洋の生産力維持、環境保全、修復法の開発を学ぶ。「増養殖学」では、環境への影響を考慮しながら、生物を効率的に育成し、増やすための技術・方法を追求する。「生産化学・製造学」では食品としての水産物の加工・保存・利用・開発・製造や品質管理などを研究する。
最近では地球規模での海洋調査も盛んに行われており、人間と海洋の適切な関わり、水産資源の保護や将来の動向を予測する研究も進んでいる。
そのほかには、水産試験場などといった水産関連の機関、教育研究機関に就職する道も開かれている。
研究職希望は多いが、高度な知識・技術を求められ、難関といえるだろう。また、大学院への進学者も増加傾向にある。
獣医学・畜産学/人間と動物の関係を通じ生命科学を学ぶ
獣医学科の修業年限は6年間であることに気をつけたい。低学年次に解剖学、細胞生物学など基礎的な知識を修得し、3年次からは専門的な研究が始まる。実習用動物を使っての実験・実習も行われる。6年次には病院での実習・卒業研究を経て、日本での国家試験を受けることになる。
畜産学は牛や豚、鶏といった家畜動物の特性を科学的に分析し、おいしく安全な肉や卵、牛乳、乳製品、食肉加工品などを効率よく生産し、人間の食生活に利用することを目的とした学問分野だ。飼料開発やえさの与え方による家畜の品質向上のほか、家畜の機能、代謝生理、遺伝や育種、飼育環境の衛生管理や環境整備などについて研究する。動物の成長や生殖の本質を追究する学問といえるだろう。
畜産学では最近、野生動物の生態系保存や新たな実験動物の開発、異品種のかけ合わせや遺伝子操作技術を駆使した研究も盛んだ。農芸化学や生命科学分野との連携も強く、とくにバイオテクノロジーの分野は今後ますます注目されることだろう。
民間企業では、畜産、乳業、飼料、食品、製薬メーカーなどへの就職が一般的だ。家畜に関する高い専門知識や経験が買われ、バイオ技術を活かした製品の研究・開発をはじめ、医薬品開発や新商品の開発など、幅広い分野でスペシャリストとしての活躍が期待されている。
医学/高度な知識と倫理観が求められる
医学科は6年制で、「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に基づいた教育が行われている。1~4年次で人体の各器官の構造や機能、医学・医療と社会との関わり、診療の基本に関することなどを専門基礎科目や専門科目として学び、臨床実習前に行われる全国共通の共用試験に合格すると、5・6年次から臨床実習がスタートするというカリキュラムが一般的だ。大学病院でローテーションを組んでいろいろな科を巡回し、学生が診療チームに加わり実際の医療行為を行ったりしながら、実地経験を積んでいき、卒業時に日本での医療活動が可能となる医師国家試験を受験し、医師資格を得ることとなる。医師資格はあくまで日本での医療行為を行うためのもので、中国で医療活動を行うためには国際医師免許などが必要となってくるので、資格に関しての正しい情報を確認しておくこと。
なお、各大学ではコアカリキュラムから3分の2、残り3分の1は各大学が特色あるカリキュラムを作ることができる。特色あるカリキュラムという点では、地方での医師不足を背景に地域医療や地域医療実習に力を入れる大学や、研究医不足を背景として2・3年次からの研究室配属に力を入れる大学もある。希望の大学の教育内容もよく見ておこう。
なお、医療の現場では、患者との間で病状の説明など非常に高度な日本語能力が求められることを肝に銘じておこう。
歯学/重要性の高まる口腔医療を担う
歯学部は医学部と同じ6年制で、1・2年次に一般教養とあわせて基礎歯学を学び、3年次から専門的な知識を修得していく。そして医学科同様、共用試験をクリアすると臨床実習がスタートする。機材を使った治療が欠かせないことから特殊技術の修得や理工学的知識も必要だ。卒業時に日本での歯科医としての活動が可能となる歯科医師国家試験を受験し、歯科医師資格を得ることとなる。医師資格同様、歯科医師の資格ははあくまで日本での歯科医療行為を行うためのものであることに気をつけたい。
歯学科以外の学生には、歯科衛生士や社会福祉士の国家試験受験資格が与えられる。卒業後はその資格を活かした多彩な分野での活躍が期待される。
薬学/薬のスペシャリストを育成
「製薬学」は医薬品の合成・製造といった開発や製造技術、さらに薬の安全性までを研究する。「医療薬学」では、人体と薬のかかわりを理解し、医薬品の調合調剤・使用・管理などを学ぶ。「衛生薬学」は、健康の保持と増進をテーマに、安全性や環境に対する化学物質の影響などを学ぶ。「生物薬学」では、自然界の微生物などの生物を人間の治療薬として利用するための研究を行う。
薬学部には、6年制と4年制の二つの学科があり、就学年数が違うことに注意しておくこと。4年制の「薬科学科」や「創薬科学科」などは、研究者や企業などでの創薬研究に携わる人材の養成を目的としている。多くの人は率業後、大学院に進学し、さらに研究を続けることになる。6年制の「薬学科」は日本での薬剤師養成を目的としている。薬学科は4年制の教育内容に、薬剤師になるための臨床系の科目や実務実習が加わると考えればよい。医薬品の進歩高度化に伴い医薬分業が促進され、薬剤師の重要度が増すとともに、業務内容も従来の調剤調合だけでなく、服薬指導や薬歴管理といった細やかな内容が求められている。4年次終了後、共用試験に合格すると5・6年次には実務実習として病院や薬局で実習を行う。
4年生の学科では、製薬会社の開発研究室、化学系、食品・衛生関連企業、SMO(治験施設支援機関)などのほか、MR(医薬情報担当者)となって、医療機関に薬品販売、情報提供を行う仕事に就くことが見込まれる。
医療技術系/医療の一端を担う各分野のスペシャリストに
医療技術系の学科を分類すると検査系、リハビリテーション系、その他の領域の3つに分けられる。検査系では血液や尿、心電図、レントゲンなどから体内の生理状況を調べる。疾病が複雑になるにつれて、現代医療では臨床検査も広範囲かつ、技術も高度化されており、その学ぶ分野は広く深いものになってきている。リハビリテーション系は理学療法、作業療法、感覚機能療法の3つに大別される。理学療法は運動や物理療法により機能回復をはかる。作業療法では作業を通して生活機能や社会活動の向上をはかる。そして感覚機能療法では言語障害や視覚障害の治療に携わる。その他の領域には鍼灸医学がある。鍼灸医学は大学では診しい学問分野だが、学部を設置しているところもある。
どの学科も実習・演習が多くハードだが、学んだことがそのまま将来につながるだけにやりがいが感じられる学問だろう。
看護学/精神的なケアまで任される看護スタッフ
医療の発達に伴い、医療の現場では終末期をどう生きるか、慢性症状を抱えてどう生きるかなど、よりメンタルな部分にも重点が置かれるようになった。そのため看護スタッフには、単に看護技術を持った医師のアシスタント的役割だけではなく、患者への精神的なケアも行えるよう高度な知識を持ち、医師と協力して医療を行う独立したスペシャリストとしての役割が求められている。
大学では学年が進むにつれて専門科目中心のカリキュラムとなり、医療現場での実習も多くなる。患者と向き合う実習は看護学で最も有意義なステージとなるだろう。また、最近ではケアのプロとしての自覚や、コミュニケーション能力を高めるための教育も工夫されている。
また、より高度な専門知識を身につけるため、あるいは研究を続けるため、大学院へ進む人もいる。病院などで実務経験を積んだ後に、進学する場合もある。
保険・福祉学/健康で人間らしい「生」への支援
保健学では、心身の健康を保ち、病気に対する予防、早期発見、治療、回復までの研究を通じて社会福祉の向上をめざす。医学が病気そのものを対象とするのに対し、保健学は病気を含んだ人間の健康全体を対象としている。福祉学は、高齢者や障害者、児童といった社会的弱者およびその家族を、福祉的立場から援助・支援していく方法を模索していく。具体的には、社会福祉士やソーシャルワーカーを育成していくことが中心となっている。
もちろん言うまでもなく、目の前の人間に対する、深い愛情と理解を持った人格が何より前提でありその上でいずれの分野も、保健・福祉系では教育学や社会学など関連分野の知識・教養だけでなく、様々な課題に対処できる実践的な能力が要求される。
しかしもちろん、この分野で学習した内容や習得した資格は、これら現場ではなくとも、例えば医療系企業の総合職などの就職には有利であると考えられ、また昨今の少子高齢化において、特にこの人材不足は大きな課題であり、法改正とともに就労機会の改善と拡充は今後より一層期待される。